長崎の
キャンプ場

 

別府温泉巡り

不老泉、末広温泉、永石温泉、紙屋温泉、楠温泉、梅園温泉、海門寺温泉、田の湯温泉、駅前高等温泉、別府海岸砂湯、鉄輪温泉むし湯、いちのいで会館、神丘温泉、明礬温泉(地獄泉、鶴寿泉)、亀川浜田温泉



別府。温泉巡りトレッキング。享楽の残り香と,湯と,生活。細かく巡れば,別府は実に面白く, 街のサイズも手頃だ。結果,18カ所の湯に浸かった。


一日目は,徒歩でまわれる別府の繁華街に点在する温泉を巡る。
別府の街は歩きやすい。城下町でなかった街は,合理的に街ができているのだ。地図が読みとりやすい。
この街は,糖尿病で痩せた御老人のような街だな。壮年には脂ぎっていた男が,放蕩のはてにやせ細り,好々爺となって飄々とある。いまでは,若い娘にもオジイちゃんと慕われる。そんな街だ。高度経済成長期,無理したもんなあ。めちゃくちゃなことしたもんなあ。そんな町並みが今では古ぼけ,いい意味でのレトロ感が漂い始めているのだ。


今回持ち歩いたアイテム「別府八湯温泉本」は,別府の温泉トレッキングに必要な情報が詰め込まれている本だ。定価300円にもかかわらず,無料入浴券などがついて,お買い得。

湯を巡る。


不老泉という名の,ご老人が集まっていた湯。100円。写真手前のスペースが,ごろりと湯に寝れるようになっている。その角度,頭当ての高さなど,絶妙なあんばいだ。


末広温泉。100円。近くのたばこやさんに開けてもらい入浴する。貸し切りで入浴。


腹が減ったので,お好み焼き屋に飛び込んだ。一瞬,「あ」と思う。店内には,こんなガラの服を上下にきて,黄色いタオルを肩からかけ,首には金のチェーンを垂らしたオッちゃん一組が酒を飲んでいた。別府だなあ(笑)。オッちゃん達は「おまえ誰や?」といった視線をこちらに投げかける。

ビールとお好み焼きを注文。これが予想に反して美味。なんといおうか,オムレツ風もんじゃ焼きと申しましょうか,中がとろっとしていて,ビールに抜群に合う。長崎にはないな,ああいうもの。


永石温泉。100円。お寺かと思ったら,温泉だった。やはり昼間からご老人でにぎわう。


紙屋温泉。100円。裏路地の温泉。趣あり。温泉には湯自体の魅力と,その場の発する魅力がある。


楠温泉。60円。アーケード沿いに接し,窓を開けることが禁じられた魔巣窟のような風呂。別府でなければこんな温泉はあるまい。


梅園温泉。アーケードのすぐ裏に位置する。ここが発見するのに最も手こずった。分かりにくい。


海門寺温泉。100円。妙な男にあった。20代でぷよーんとした体の男だ。目がすわり,なんというか妖怪のような気配を発し,一言も話さない。ヤクザのオッちゃんよりも怖かった。


田の湯温泉。100円。湯をあがり外に出て,涼んでいるオバサンと話し込む。オバサンは,食事や宿泊の地元情報を話してくれた。


オバサンは,食事や宿泊の地元情報を話してくれた。
別府観光と称して,ホテルに夕方着いて,館内の湯に入って飯を食い帰っていく旅行に,なんの発見や感動があるというのか。歩いていろんな方に話しかけて,はじめて面白いことに遭遇もする。
それにしても別府の人は親切な人が多いな。


駅前高等温泉
ここに浸かり,じだらく氏を待つ。氏は長崎から別府に,今夜12時到着の予定。
ところで,この温泉はトレッカーなどの間ではやたらその名が知られている。別府駅のすぐ近くにあることと同時に,宿泊費が安いのだ。冷暖房つきで,個室2500円,広間相部屋1500円。広間相部屋は9時からチェックイン可能で,布団は修学旅行状態で敷いてある。個室は予約を入れておかねば金・土は満室だ。

ここの温泉。とりたてて書くほどのものでもない。

本日9湯。別府中心街に点在する温泉を満喫。
ということで,翌日編に続くのである。



温泉行脚2日目。


じだらくさん登場。
多忙をぬって,昨夜12時ご登場であった。
さあ,今日は自動車がある。足が伸ばせるのである。
写真は朝一番にいった神丘温泉。ここは泥湯で有名だが,さすがに朝一で泥湯はきつかった。

明礬温泉へ走る。


地蔵泉。無料。

鶴寿泉。無料。
長崎県民は,温泉というと,ここのように硫黄の臭いがしなければいけません。地蔵泉は私にとって,今回の18湯のなかのベスト1。朝早く行けばゆっくりと浸かれる。


今回最もおどろおどろしい印象だったのが亀川浜田温泉
どうだ,この恐ろしさ。まるでエイリアンをデザインしたギーガが作ったような湯だ。



思わずアロハといいそうな写真。実は別府海岸砂湯に埋もれているときの私の視界だ。
全身が砂の重さで,指圧を受けているような気持ちよさだ。

砂掛けの係女性との会話。
「気持ちいいですねえ」
「ええ。まだ午前中ですから。風もありますし」
「え?」
「砂湯は午前中に入りましょう。午後からだと風も止んで,地獄を見ます」
「あ,そうなんですか」
「夏場の午後なんて,私たちも倒れそうになります」
「いつが客は多いんですか?」
「その夏場の午後。行列ができます」
「そりゃ,すごい」
「もんのすごく暑いですよ」

「他にどの温泉がお薦めですか?」
「むし湯がいいかも」

ということでやって来た鉄輪温泉のむし湯。
むし湯の奥に無料の駐車場があるので,そこに車をとめるといい。


左から,むし湯,地元の人専用の湯,渋の湯。


これがむし湯。矢印の戸から這いながら,中に入り,草の上に寝る。中は電球一個。地熱によりガンガンに暑い熱い。これほど人間から短時間に汗が出るものかと驚くほどだ(ちなみにじだらく氏は,軽いやけど状態となった)。
「へたすりゃ死ぬな」
「同感」
振り返ってみると,ここが私たちの午後の日程を決定づけた。
午前中で体力を使い果たす。
「じだらくさん,昼食をとろう」 

いちのいで会館」なる所に向かう。食事をとったら入浴無料という。さて皆さん,「いちのいで会館」と聞いてどんな施設を思い描かれますか? 私たち二人の共通認識は,かんぽの宿らしきもの。で,向かう。


目的の場所直前、こんな細く過激に急な坂が待っていた。じだらくさん曰く「車の限界に挑戦させられる坂」である。

で着いたのはこんな所。ちょっとした山の中の小屋だ。なんだこれは? と,いぶかる私たちに

看板娘さんが「いらっしゃいませ」と声をかけた。出てきた人がステテコはいたオッサンだったら,ちょっともめていたかもしれない。


なんだこれは。嬉しい誤算だ。涼しい山風に緑はそよぎ,僅かに蝉の声がした。正しいニッポンの午後がそこにあった。先客一組は,ぼんやりと外を眺め,惚けズラになっている。下界とは別の時間が流れているのがわかる。君,エルドラドとはこういう所を言うのだよ。

ビールを飲む,だご汁定食を食う。文庫本を読む。ビールをおかわりする。半熟卵を注文する。
食う。寝る。飲む。読む。寝る。寝る。寝る。
むし湯の心地よい虚脱感。
ふわわ……。寝る。

起きて,ふらふらと風呂に行った。青乳色の美しい湯だ。別府の街を睥睨して入る。熱い。上がる。ふちのコンクリートが太陽に焼けて暑い。風呂にいる。熱い。湯はきれい。熱い。
とかなんとか繰り返し,湯から上がる。また文庫本を読んでそして,また寝る。
こうして半日が過ぎていったのであった。

以上18箇所の温泉に浸かった浸かった。

 


 

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