長 崎 を 歩 く

本原~丸善団地ルート

 

坂の町長崎の体感度が高いコースを紹介しよう。本原から丸善団地に至るルートだ。
谷を渡り、山を登る。最後に感動的な坂が待っている。
ここには人間が山野に喰らいつき、住み着いた生活文化形態がある。谷川は溝に変わり、山の端は団地に変わった。


スタートはパンク・イエローのバイクショップ前からだ。県営バスで「循環」に乗り、「本原一丁目」バス停下車。

この交差点を上手に10メートル登り、右手に入る。


しばらく謎解きもない安寧な道が続く。



出た。迷宮の入り口にようこそ。左折。



階段が現れる。

長崎度80パーセント。階段があれば挑む。かくて第一回目のチャレンジはこの階段を上へと登り切り、大通りに出てあっけなく終わった。1年以上前のことである。まだ路地の複雑さをなめていた。正解は、赤い線のように途中で右折しなければならない。

右折すると下写真のような路地が見える。

行き違う人と気まずくなってしまう程の狭窄した路地だ。これを前へ前へと進む。50メートルほど進んでゲームオーバー。突然アパートの敷地に入り込み行き止まる。正解は、赤い線の先のように右折しなければならない。

お分かりいただけはじめただろうか。このルートはとっておきの迷宮だ。谷底の複雑に入り組んだ迷宮。あなたが路地裏マニアならば最も強く惹かれるルートだろう。

先ほどの角を右折し、谷底へと向かう。

川に出くわす。

谷川というよりも水路と呼ぶべき状況だ。かつて山の谷底をきらめきながら流れていた小川がこう変わった。水路に響き落ちる排水音、側面を被う壁面、そして伸び行く路地。日の光が直接には差し込まない間接光のエリア。

小さな橋を渡り右岸を進む。

もう一度言う。右岸へ渡る。左岸にも路地が延びているのが確認できる。これがトラップだ。ずいぶん進んでから行き止まる。左岸はいずれにしろ行き止まっている。全左岸ルートは先細り全滅する。こういう状況の道は日本では珍しいことだろう。

水路を対岸に渡っては迷路を解き、また対岸に渡って迷路を解く。小橋を幾度も縫う。



ルートは、車はおろか原付バイクや自転車でさえ通行できない路地が大半を占める。狭く、階段だらけだ。車の騒音から遠く、ひっそりと路地は交錯している。

人一人やっと通れる路地。

最初出くわしたとき、また行き止まりかと思った。実はこれが抜けている。

現れるのはこんな世界。

路地が路地をやめてプライベートスペースと化しているエリアへと突入。お断りしておくがここは庭先ではない。行き止まりかと私も最初は思った。少なくとも赤道(あかみち)だろう。

子ども達の自転車もこのとおり。

すみません、通してくださいという気持ちで抜ける。
私にとっては心和む光景だ。私が幼かった頃、道とはこういうものだった。地域の子どもは道で遊び、大人たちも夏は涼み台に座って話し込んでいたものだ。車の往来が頻繁になることでそうした光景は消滅した。車のこない路地の平和で健全なあり方だ。


この付近のルートは、グーグルマップを使ってどうにか発見した。現地調査では抜け道の発見ができず、上手部と下手部は1年程接続していないものと諦めていた一帯だった。


また左岸に渡り、階段を上がる。

束の間広い道に出たかと思うと、すぐに右岸に渡る。


下写真のポイントも迷宮度が高い。


皆さんならどう進むか。
正解は赤いルートのように当たって左折。路地は隠れるようにしてある。

路地度、極まる。


この近辺には空き家が点在する。


人間の生活が自然に喰らいつき作り出された光景。味わい深いものがある。愛すべき人の営み。長崎の路地を巡る楽しみを教えてくれる一帯だ。

ゴール。谷川迷路パートは抜けた。

橋を渡って終わりを告げる。拍手。今、ルートの半ばまで来た。ここが終わればルートは別性格となる。

 


 

 



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Profile まつを

Webデザイナー。長崎市・島原市との多拠点生活化。人生を楽しむ。仕事を楽しむ。人に役立つことを楽しむ。座右の銘は荘子の「逍遙遊」

「よくこんな事をする時間がありますね」とおたずねになる方がいらっしゃいます。こう考えていただければ幸いです。パチンコ好きは「今日は疲れたから、パチンコはやめ」とは思わないもの。寸暇を惜しんでパチンコ玉を回します。テレビ好きも、疲れているときこそテレビをつけるもの。ここにアップしたものは、私が疲れたときテレビのスイッチを押すように作っていったコンテンツです。