池島
スチームパンクな異世界へ
「未来をイメージしてください」と言われ、人の頭に浮かぶパターンは二つに大別される。一つが鉄腕アトム的未来、そしてもう一つは風の谷のナウシカ的未来だ。

長崎県・池島には後者の風景が待っている。
一つの時代が終わったあとに広がる白い世界だ。
遥か彼方から渡ってきた風が、茫漠とした風景を洗う。

建ち並ぶルイス=カーンのようなモダニズム建築。
ここに人影はない。

もはや人の世界と隔絶された通路。

閉ざされた部屋は、空虚さを増幅させていく。

子どものいない公園。

わずかな人の痕跡にさえおぼえる安堵感。

そして神の目が、静けさに沈む街をねぎらう。

住宅街を行く。

言葉を失う。
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かつて島の給与は平均的雇用者の2倍。
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歓楽街に溢れた人いきれは今遠い。
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食事がとれる場所にたどり着く。香り立つ人のにおい。

もう一つの売店とカクウチカウンター。
注:現在売店や食堂は閉鎖。島には本土から飲料、酒類、食品等必ず持ち込むこと。宿泊は池島中央会館にできる(2024.12現在)。

1952年、この島は海底炭田掘削への道を歩み始めた。

島に新しい文明が押し寄せてきたのだ。

チューブが複雑につながれ

先端技術が結集され

うねり

ダクトは巨人の内臓のようにつながれていった。

モーターやダクトやその他もろもろの雄叫び。

声無き叫びをあげ、今も紺碧の空を背景に屹立する施設。

過去をかこつな。

消えていく存在の余塵。

このレールは地底へと向う。

はるか600メートル下の光来ぬ地下に降りて行った男たち。

地上の繁栄を支え続けた地下世界。

2001年、音は消えた。

8,000人いた住民は、今231人となった。

遥か彼方から渡ってきた風が、

灰燼を降り積もらせていく。

リリシズム溢れる光景が、蒼い海に浮かぶこの島の中にある。
行ってその目で確かめるべきだ。
その方法はこちらのサイトで(クリック)。
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生きてることを楽しもう。座右の銘は荘子の「逍遙遊」。長崎県。


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