1999年7月
1999_07_25
門地意識が台頭するアメリカ
ケネディ家の貴族的取り扱い
ケネディ家の子息が飛行機事故で絶望的との話。これが新聞のトップニュースで伝えられていました。違和感を感じました。彼は公人ではありません。なおかつ自己の過失で起こした事故のようです。
コソボでは多くの人が,死にました。その視点のもとに,今回のケネディ家の事故報道をみると,門地意識(家柄意識)の台頭を感じてしまいます。公人でもない人物の死がトップニュース? 家柄がいいから,トップニュース? 新聞のワイドショー化が進んでいるようで心配してます。
かつて初代大統領ワシントンの子孫がどうしているか人々は知らず、これが民主主義かと日本人は感嘆した
勝海舟だったでしょうか,アメリカに渡った感想記に「初代大統領ワシントンの子孫はどうしてますかと質問しても,アメリカ人はだれも知らなかった。これが民主主義か」と感嘆して書き残してました。ケネディという数十年前の大統領の子孫が死んで,新聞でトップ扱い。自由の国アメリカは,様変わりしてますね。パワーエリートが定着しているのです。一握りの階層が,富の大部分を牛耳っている国アメリカ。悩める者はカウンセラーに出かる。心の問題さえ,金による解決法をとる国アメリカ。精神医に払う金なき貧しき者は,悩みさえ解消できない国アメリカ。
かつてアメリカの子供たちは,たとえば『トム=ソーヤー』といった名もなき男の子が自然の中で活躍する物語に心躍らせて育ちました。その国が,今は『スターウォーズ』という皇帝だ女王だを戴いた帝国の物語を紡ぎだしているのです。
1999_07_21
お経は私たちに話しかけている?
最近法事に出席することがありました。読経の後,若い僧侶(浄土真宗)が私たちに次の旨を話しました。
若い僧は「お経は生きている皆さんに向かって呼びかけているのです」といった
「お経というのは,死者のために唱えてるのではありません。また呪文でもありません。お経というのは,生きている皆さんに向かって,こう生きなさいよと呼びかけているのです」
じゃあ、なぜ日本語で言わない。それもこっちに尻向けて
その話が終わった後,一人の親族が私に話しかけられた。
「お経は何語で書かれてる?」
「元々は昔のインドの言葉です?」
「私達に話しかけてるなら,なんで今の日本語で言わんのかね?呪文じゃないというなら,音そのものに力があるというわけじゃないというんだろ。私達が聴いて分かるように言わなきゃ。それを,『これはあなた達に言ってるんだからね』と恩着せがましく言われてもなあ。それも坊さんは,こっちに尻向けて言ってたぞ。人に語るときは,話しかける相手に向かって,分かる言葉で言う。こんなこと当たり前だろ。そんなことも分かってなくて,あの坊さんは私達になにを話してるんだ?」
寺は迷える見知らぬ若者を救おうとするか
一般化して話すことは,いつも対象をステレオタイプ化してしまう危険性があります。すべての僧侶がそうしてるのではないとまず断っておきましょう。その上で話をすすめるのですが,
今,ここに迷える若者がいるとします。この男が,夜,寺の門を叩いて「すみません。深い悩みがあるのですが」と言ったとします。どれほどの仏教寺院が,その若者を招き入れ,話をきいてくれるでしょうか?そうした活動をされている寺院も知っています。逆に,「なにしにきたのか?」といぶかる顔をされるであろう寺院も多いことも知られるところです。今,オーム真理教が問題になっています。この責任を,仏教界は深く考えるべきだと思います。
1999_07_16
ちょっと一杯飲みに来ないか?Ⅱ 東京
例えば,「よう,一杯飲もう。牛タンのうまい店があるんだ」と誘われて,あなたはどこまで出かけていくか。俵山氏宅の囲炉裏部屋で
夏,長崎。俵山氏の囲炉裏部屋で飲む。
まつを 「今度,東京出張がある。夜に,ネット上の友人たちと会う。来るか?」
俵山 (がぶ?)
まつを 「牛タン屋で一杯飲む。一杯のビールと一皿の牛タンのために,飛行機に乗って東京に来ないか?」
俵山 「おもしろいねえ」 がぶがぶ。
まつを 「メンバーはいつも話してた男女4名だ」
俵山 「来る!」 がぶがぶがぶ!
そこでオフ会の11日前,私は次のようにBBSに書いた。
オフ会にですね,「星のきかんしゃ物語」のモデルになった俵山氏も来る言うております。 しかし,私と彼のつきあいは長いので,私は全く信用してません(笑)。 ですから,ozawaさん,このことは心の片隅においとくだけで,彼の分の席の予約は無用です。
それから8日後,私は次のようにBBSに書くこととなった(申し訳ない)。
かの俵山大先生が,オフ会で牛タンをちょっと食するためだけに,東京に来ることが決定。 本日,彼が航空券を購入したことが判明。 俵山氏は,オフ会出席だけが目的で,長崎から来ますので,私から一日遅れでやってきます。
恐るべし俵山氏。 私の目測の誤りは,メンバーに女性がいるという点にあった。
東京新宿で待ち合わせ
さあて,当日。仕事は無事終了。
待ち合わせ場所となった新宿。
どれどれと,長崎の俵山氏の会社に電話する。女性社員が出る。
「もしもし,俵山さん,いらっしゃいませんか?」
「あ,社長は,今日仕事が入りまして,東京に出かけております」
爆笑。
どれどれ,俵山氏の携帯電話にかけてみるか。
「よう,俵山さん,今どこにいる?」
「今ねえ,東京駅。そちらに向かっている」
「いつ着く?」
「わからん。オレは,生まれて初めて一人で東京にきた」
「おうおう,初めてのお使いのようなもんだ。がんばれ」
「うん。なんだか,大がかりなシュミレーションゲームしてるようだ」
「その調子」
「ファースト・コンタクトの瞬間を撮ろう」とカメラを構えて待つ。
目印は私が持つ猪八戒の面。
お,みなみな様,来た来た。
下がそのショット集。
「オレは一人で初めて東京に来た」と,俵山氏。
「まだ風邪がちょっと残ってて」と語る,一発で分かったdomsさん(デザイナ)。
「猪八戒の面でわかった」と,横浜から来てくれたyouさん(DTM演奏者)。
「ホヘホヘ,ニコッ」と,軽やかにロンゲをなびかせ現れたこばえさん(ゲームプランナ)。
「あ,あの,誰がどの人?」と,ウクレレ持って現れたozawaさん(デザイナ)。
爆裂! 俵山氏
ささ,件の会場「牛タンのねぎし」へ。 オフ会は楽し。 初めて会った人に「それでね……」と話し始められる。 たちまち,意気投合。
ただし,上写真の俵山氏に注目。
へこんでるのである(笑)。
笑ってしまうが,彼は人見知りするのである。
はい,ここからは,こばえさんに語っていただきましょう。
やー、大変おもしろいオフ会でした。
はるばるやってきた俵山氏、最初は人見知り(?)でちょっとブルーのご様子でしたが、アルコールを少々充填するやいなや、メッチャおもしろい人モードにギアチェンジ。
牛タンを堪能した後は近くのカラオケボックスに入り、歌わず談笑。
最後はもう全開(全壊?)爆裂モードに入ってもう大変、といった感じでした。 どこがどう大変だったかはご想像にお任せします。
遠路はるばる来ていただいた上に、ごちそうさまになってしまい、うれしいやら申し訳ないやら。一刻も早くネットデビューされる日を心からお待ちしています。>俵山さん。
というわけで、大変楽しいオフ会で、帰宅は今さっきです。
みなさま方,申し訳ありませんでした(汗)。
TPOをわきまえて,珍獣はお届けするように以後配慮いたします。
俵山氏にも申し訳なかった。ジェラシックパークからニューヨークに,怪獣を連れ込んでしまった業者のようなことをしでかしました。本人は大満足でしたが。
辛抱強く,おつき合い下さった皆様方のご寛容に感謝申し上げます。
記事は本人許諾済
1999_07_01
スコットランドとウェールズで議会が独立
今日は,ヨーロッパ史が動いた1日でした。1.日本人が考えている意味での英国が今日なくなりました。 2.ドイツの首都がかわります。
日本人が考えている意味での英国が今日なくなりました
つまり,スコットランドとウェールズで議会が独立したのです。この議会は,外交や防衛,主な経済政策などを除いた権限をもっています。つまり,ついにイギリスは分封状態になったわけです。スコットランド議会では,議長がスコットランド議会をここに「再開」する旨を宣言したのです。300
年の時間を経て「再開する」といったわけですよ。この発言の際,スコットランド人は身震いしたでしょうねえ。(詳しくは,このコーナーの1999.1.12分を参照のこと)
ドイツの首都がベルリンにかわります
これまでのドイツの首都ボンでの最後の議会本会議が本日終了。今度は,戦前の首都ベルリンに移動します。
解体へと向かうイギリス,統合の進むドイツ。それを大きく覆う,EU化の波。
ヨーロッパでは,イギリス人,ドイツ人ではなく,ヨーロッパ人を作る教育を進める合意ができていて,EU統一の歴史教科書もできています。
こう書きますと,すぐに日本人の評論家の中には「ほれ,だから日本は遅れている」という安直西洋万歳人が出てくるのですが,それは少し考えて欲しいものですね。たとえば議会制民主主義の発祥の地イギリスでは,今でも貴族院が存在します。つまりステレオタイプ的なイズムに流されぬ社会というものの存在を確認すべきでしょう。
それにつけても悲しむべきは,マスコミの俗悪ぶりです。今日,野村幸代のスキャンダル報道にあてた時間と,このイギリス,ドイツの歴史的瞬間の報道に当てた時間,どちらが多かったか。たぶん後者は,多くの人の耳にも届かなかったと思います。