長崎被爆の日
77年前の今日、米国によって長崎に原子爆弾が投下されました。
1分間の真空が現れます
長崎では投下時間の11時2分、サイレンが街に鳴り響き、人々は一斉に1分間の黙祷を捧げます。街が止まります。街から音が消えます。職場から、学校から、公園から、繁華街から、音と動きが消えます。真夏の照りつける太陽の中に、1分間の真空が突然現れます。そしてその上を、薄く広く無機質なサイレンが覆います。聖なる時間とはあの一時のことをいいます。
1分の黙祷が終わった後、私たちは一般の業務や生活に戻るのですが、そのわずか1分間の間に、私たちは日常から随分遠くまでいってきたかのような感覚を持ちます。
全国で黙祷を捧げられれば
広島の8月6日8時15分と、長崎の8月9日11時2分に日本全国で黙祷を捧げる。そんな運動がインターネットをつうじて拡がっていくことを願っています。たった1分ですが、その真空で学びふり返ることは大きいと思っています。
長崎と原爆
長崎原爆と浦上天主堂 爆撃機は「神のご加護を」と祈られ浦上信徒を殺した
本年に出版された『人はなぜ平和を祈りながら戦うのか』並木書房。この本によると、長崎原爆投下戦闘機ボックス・カーの乗務員は全員出撃前、従軍牧師による礼拝を終えた。「神のご加護を」と。で同じ浦上信徒を万単位で殺した。
永井隆博士もカソリック信徒であった。私の兄は永井博士から父が頂いた「黒いロザリオ」を今でも大事に保管している。父は被曝後20年で肝臓に障害が出て死亡した。
●まつをのコメント
長崎原爆投下戦闘機ボックス・カーにテニアン島で祈りを捧げたジョージ・ザベルカ神父は、長年、「原爆投下は正しいことだった」としていたが、終戦から40年近くが経った1984年、「イエスに機関銃を持たせたのは私だ」と深い懺悔をして、来日したのち「原爆投下は間違いだった」と告白している。回心後のザベルカ神父は、核廃絶運動や平和活動に身を投じている。
また近年、広島原爆投下戦闘機エノラゲイには、カトリック神父であったジョージ・ザブレッカが同乗していたことが明かされている。宗教の後ろだてがなければ、良心で、大量殺戮はできない機長や乗組員に原爆投下を行わせるためだったという。彼は後に想像しうる最悪の裏切りの一つであったと認めた。