2004年8月
2004_08_28
戦後三代目が経済衰退を招くか
四住期
四住期という人生観がインドには古来から伝わる。人生を四つに分ける考え方だ。
- 第1期は学生期(がくしょうき)。将来に備え学ぶ時期だ。
- 第2期が家住期(かじゅうき)。職業を持ち家庭を営む時期。
- 第3期が林住期(りんじゅうき)。世俗的責任は終えて、自然と向かい合い人生を見つめる時期。
- 第四期は遊行期(ゆぎょうき)。家を捨て死に場所を求める放浪と祈りの余生期だ。
ここに明確に子ども期の概念が示されており、仏教が伝播したわが国でも、この考え方が人生観にうっすらと染みこんでいる。
私が歳を追うごとに、里山への指向を強めているのも、無理なからん。わはは。
勉強で苦労したから子どもにはさせたくないという甘さ
最近、学びを軽視する風潮がある。
学生期に学ぶことをしなくなったアホウが群れなして街を闊歩している。ブツブツ言いながらも私たち世代は学んではいた。学びもしないで、飯食わしてくれ、小遣いくれ、税金払わないだぁ? そういう輩を餓鬼と言う。
なぜ、こんな子どもが多数出現したか。親の価値観がふらふらしているからだ。
昔の親は、自分のした苦労をさせたくないから、若いときに苦労しておきなさいと言ったものだ。大戦を乗り越え、本当の苦労を知っていた世代だった。
今の親には、自分は勉強で苦労したから、そんな苦労は子どもにはさせたくないと言う人が多々見られる。爆笑。本当の苦労を知らない世代独特の思考だ。
マスメディア等の先導に、風船のようにのってはいけない。
危険な大人と子ども一緒くた人生観
「ゆっくりいこう」
そのとおり。大の大人は、足るを知らなければならない。
しかし、子ども期は備える時期だ。子どもも一緒くたに「ゆっくりいこう」と論じることは価値観の混乱。四住期などに見られる大人と子どもの時期、それぞれに合った生き方を指向することは、人類の知恵として伝えられてきた。
一緒くたの思考は、この国に危機をもたらす一因となる。このままだと経済活動は衰退期に入るだろう。
戦後三代目が経済衰退を招くか
「三代目でだめになる」と世間で言われる。戦後三代目。これが今の若い世代だ。どうかソフトランディングしてほしい。願っている。そのためにこの拙文も綴っている。
無職者がゆっくりと生きていくことができるほど豊かな時代が、はたして何年続くだろうか。世界の歴史はそんな時期は長続きしないことを私たちに教えてくれている。日本で飢えに泣く時期がくるのならば、それは大人と子ども一緒くたの思考に一因がある。
2004_08_19台風一過
15号が涼を運んできましたね。
2004_08_17美しいアテネオリンピック開会式
アテネ・オリンピックの開会式イベントは素晴らしかったですね。美しい。なんて美しく質素で端正な開会式なんだと感涙しました(クリック↑)。
モノトーンの支配色、構造自体に美しさを求める指向性、ファンファーレがない音楽構成。あの美意識。たとえばあの聖火最終ランナーが点火するシーンですが、支配色は白、装飾を排した階段と、聖火台のフォルムの対比の美しさ、音場設定のすばらしさ。
ギリシアの美意識の卓越性
さすがパルテノン神殿のバランスを見出した民族です。黄金比が神殿の各所に用いられ、エンタシスや、中心から端にいくにつれて間隔が狭くなる円柱の配列。飾り立てる装飾ではなく、本質的美意識を磨き抜いた姿勢。派手さに走るスーパーB級国家アメリカと根本的姿勢が違います。