結婚30周年を迎えた私たちが旅先として選んだのは、一軒のオーベルジュでした。ひっそりと森の中にたたずむオーベルジュを訪ね、ゆっくりとおいしいものを頂く。大人の旅。
大島・崎戸の思い出
オーベルジュあかだまは長崎県の寺島にあります。西彼半島から大島大橋を渡った島。もう一つ渡ると大島、さらにもう一つ渡ると崎戸島になります。
昔、友人俵山さんとキャンプで訪れたことがありました。氏は大島で見かけた「若人の森」の標識を見て、「若人の森があるんなら、新妻の森もつくってほしい」と力説。また崎戸の砂浜にテントを張った私たちは、堤防の上から地元のおばちゃんに朝夕何度も話しかけられました。不法入国者と間違われたのでしょう。それほど「果て感」のある土地。
写真は北緯33度線展望台。海に突き出たこの地の展望所に遮るものはありません。
施設
緑に包まれた宿は、静かさを堪能させてくれます。渡るそよ風、野鳥の鳴き声、木漏れ日が注ぐ樹木の向こうには青い海が望めます。
部屋はメゾネット。1階がリビング、2階が寝室とバスルーム。木がふんだんに使われていてなごみます。
夕食
ここがレストラン。私たちの部屋からはベランダで直に繋がっていました。オーベルジュを囲う森が見えますね。
普段、粗食ですので、ここから驚きの展開。
前菜の盛り合わせ。人参とサーモンのマリネ、イカのイカスミ和え、モモの生ハム添え、鱈の生春巻き、魚のコンソメジュレ。
アミューズ。うえにのった半生のからすみ。
カルパッチョ。一切れずつ、タイ、ヒラメ、ブリ、アオリイカ、アコウ、ヤズゴ、イサキなど。
さらにカルパッチョ。アラカブ、カワハギ、ヒラメ。
伊勢海老とサザエの刺身。
このあたりから頭脳メモが怪しい。伊勢海老と……
お魚のうえにフォアグラ。
天然鯛のアクアパッツァ。
低温で焼き上げられたカモのステーキ。
デザート。お心づかいいただきました。
妻に感謝
30年に1回は感謝の言葉を。
30周年を迎えられたのは妻の人柄によるところが大きい。
情緒が凪の水面のように穏やかで感情的なところがない。子どもたちも一度だって大声出して怒られたことはないでしょう。人の悪口を言わない。本当に聞いたことがない。皮肉も言わないし、話のマウントもとらない。料理のレパートリーが増えたねと言っても「クックパッド見てるだけです」と応える。そんな人です。
いつもありがとう。
写真は10年ほど前の妻。今の写真をあげることは許しが出ませんので、そっとこれをアップしておきます。
朝食
バラの花を浮かべた朝風呂を楽しんだあと食事へ。
ブルーベリーのスムージー、オレンジジュース、ミルク。
ミネストローネ。アワビとタイ、ヒラメをのせて。
伊勢海老のスープ。
魚の網焼き各種。
自家製パン。リンゴとシナモンなど。
オムレツと生ハム。
そしてデザートとコーヒー。
朝も食べきれないほどのお料理でした。