| 蒐 集 |
- はじめに
子供が生まれたとき,初めて美術品を買い求めた。 「お前に持たせてやりたい品はこれだ」。言葉にならぬ思いをその作品に託し,子供に渡したかったのだ。
そんな自分が周辺をふりかえると,父や祖父が残した品があることに改めて気づいた。ささやかな品々である。けれどそれらの作品は父や祖父の思いを背負い伝えてくれているように感じる。そう気づく時期が余りにも遅すぎたと思う。父は若くして,他界した。もっと父の言葉に耳を傾けていればよかった。
遅きに失したが,できる限り整理しておこうと思う。 残された作品は,何者なのだろうか。私には皆目分からない作品も多い。 これらの作品の素性を解き明かすことは,亡き祖父や父の思いを, 大人となった私が理解する作業に繋がると考えている。
- 孔雀窯変天目茶碗
2000年,雲仙焼。雲仙普賢岳の火山灰だけを釉薬として使用し焼き上げられた天目茶碗。その内をのぞき見ると恰も輝く宇宙が広がるが如くである。初めて拝見したとき鳥肌が立った。制作者石川照氏は1950年東京生まれ,1977年から雲仙の石川靖峰に従事,1988年雲仙に焼締めの穴窯を築く。当作品は息子の誕生に際し焼いていただいた一品。多謝。
- 紫陽花文様水差
副島太郎作。肥前びいどろ作品。副島氏は日展入賞作家である。 娘の誕生に際し1992年購入。
- カスタムナイフ セミスキナー
松崎猛・作 セミスキナー(3ピースハンドル)・ATS-34 4インチ 98,000円。グリップはブレードの方から、鯨の歯、鹿の角、鹿の角という構成。この世に1本しかないカスタムナイフだ。松崎氏は2002年・2004年JKGカスタムナイフコンテストで大賞を受賞した作家。2006年12月24日、私が松崎氏の肖像画を描き作品交換させていただいた。
- 屠蘇器
幅:41㎝,奥行:27㎝
輪島塗,1995年製。特注による高蒔絵にて,松に鶴と家紋が配されている。
- 七人唐子文様急須
経:9㎝,高6.5㎝
唐子焼。三河内焼の一種。無心に蝶を捕らえんとする構図を描いたもので,平戸藩の松浦家から朝廷や将軍家への献上品だった。田中尚俊の創意によるものと伝えられ,文化文政のころには長崎でオランダとの貿易商品でもあった。唐子の数によって厳然たる差があり,七人唐子は献上品,五人唐子は平戸藩御用,三人唐子だけが一般用として使用されていた。 本品は七人の唐子が描かれた献上品。父が,絵を通して交流の深かった医者中村氏より贈られたものである。
- 香炉
高:11.5㎝,径14㎝,蓋高:18.3㎝
父が最も愛していた香炉。この一品をよほど父は気に入っていたとみえ,黒檀製の蓋は本場四国に発注し製作させている。この香炉自体は金属製であるが,どこのなに製なのか,今となっては不明である。中国の古い品のような気もしているが,いかがか。
- 布袋
幅:23㎝,奥行:18㎝,高14㎝
鍋島焼倉山作。父の代に,島原は神代より入手した品。神代はかつて鍋島藩領であった。
- お茶入れ
経:7.5㎝,高:10.5㎝
木製。乾漆研ぎ出しは旭明による。
- 獅子
幅:41㎝,奥行:15㎝,高:12㎝
木彫白木。若い頃の旭明の作品と考えられる。
- 虎
幅:29㎝,奥行:22㎝,高:42㎝
祖父の代に購入した品。
- 達磨
縦:131㎝,横:33㎝
水墨画。祖父の代のころ,ある日一人の旅の僧がふらりと我が家に現れた。食事を供するなど快くもてなすと,僧はお礼にと,その場でこの絵を描き残していった。その後表装されることもなく,この作品はしまい込まれていた。父の代になったある日,この絵の存在を指摘する人が現れ,描かれてから四十年を経て表装されるに至った。筆跡に当時の畳の模様が生々しく認められる。不思議な力を感じさせる絵だ。
- 蓮如上人御真筆
御真筆部分 縦:26.0㎝,横:6.3㎝
- 御宮殿+須弥壇
幅:131㎝,奥行:65㎝,高:182㎝
御宮殿(ごくうでん) 末喜,旭明作。浄土真宗西本願寺派の様式(我が家は浄土真宗高田派であるが西本願寺様式を採用している)。本漆ぬり純金箔押,金具打。 出隅三方妻屋根造り(でずみさんぼうつまやねずくり)。左右と前方が妻屋根となった様式。 菊に鳳凰。 袖には牡丹に孔雀。御須弥壇。本漆塗り箔場純金箔押 金金具。
阿弥陀如来 幅:14㎝,奥行:13㎝,高:51㎝。純金京形九重座西立阿弥陀。台座の横に伸びた部分をケマンと呼ぶ。
唐狭間(からさま)。雲に天人。中央に家紋(梅)が配されている。
龍。左右の御宮殿奥柱及び前柱には,右に降り龍,左に昇り龍が配されている。
- 旭亭

- 孔雀窯変天目茶碗

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