1998年10月
携帯電話の電磁波は有害
イギリスの携帯電話会社数社が,電磁波の有害性を認めたらしいですね。比較的強い電磁波を発している電気カーペットや携帯電話などの有害性は前から囁かれていますが,わが国では「なぜか」あまり表だって問題化されませんね。ところでリニアモーターカーというのがまだ実験してますね。
政府が経済コントロール出来ない社会へ
日本経済が苦しくなるつれて,攘夷派と開国派の対立が激化すると予想しています。それは経済問題から始まって,政治・文化問題へと飛び火すると思います。
その際に,理解しておかねばならぬ事は,現在わが国が進めている開国の流れは,電子ネットによって国境の意味が薄くならざるをえなくなるという点を見据えた政策だということです。電子マネーの発達によって経済の国境は溶解し,そして金融政策は利きにくくなっちゃうのです。政府がですね,経済をコントロール出来ない方向にいってるのです。
1929年の世界恐慌
1929年におこった世界恐慌のことご存じですか? 今回はゲストに松原幸作氏を迎え解説していただきました。
Q.この恐慌の時はどのくらいデフレになったんでしょうか?
A.金融恐慌というのは、1927年の3月15日に始まり、モラトリアムの発令によって4月の25日には終息しています。つまり蔵相の失言による一時的な信用パニックだったのです。ですから中小の銀が倒産・休業して預金者による取付騒ぎが起こったものの、デフレ現象は顕著に現れませんでした。むしろ、その前後にあった戦後恐慌(1920年~)・震災恐慌(1923年~)や昭和恐慌(1930年~)の時が深刻な不況に見舞われていました。特に世界恐慌と連動した昭和恐慌はかつてない深刻な不況となり、物価は2~3割安、1931年には国民生産が前年の20%減となり、約200万人の失業者が発生し、失業率は8~9%になったと推定されています。ちなみに現在の失業率は4%強です。また、輸出品であった繭は価格が3分の1まで下落、米価は2分の1となり、農家は大打撃をうけて、一家心中、欠食児童が社会問題となりました。さらに東北地方では、娘の身売りを斡旋する村役場あったほどの異常さでした。また、大学卒業者の就職率は45%を切り、「大学を出たけれど……」という言葉が生まれました。 (松原)
世界恐慌の頃の日本
1919 朝鮮で独立運動「万歳事件」。中国で排日運動「五・四運動」。ベルサイユ条約調印
1920 国際連盟加入、常任理事国に就任。戦後恐慌
1921 ワシントン会議で四カ国条約締結
1922 ワシントン会議で海軍軍縮条約、九カ国条約調印。日本共産党結成。
1923 関東大震災。震災恐慌
1924 第二次護憲運動
1925 治安維持法公布。普通選挙法公布
1927 金融恐慌。モラトリアム緊急勅令を交付(3週間の支払い延期)。第一次山東出兵
1928 最初の普通選挙法施行。共産党一斉検挙、3・15事件。第二次山東出兵。第三次山東出兵。張作霖爆殺
1929 山東省より撤兵。当初予算の5㌫緊縮予算を発表。世界恐慌
1930 昭和恐慌。金輸出解禁の実施。ロンドン海軍軍縮条約
1931 満州事変。金輸出の再禁止。
1932 上海事変。5・15事件
1933 国際連盟脱退
1934 ワシントン海軍海軍軍縮条約破棄
1936 ロンドン海軍軍縮会議脱退。2・26事件
1937 日中戦争おこる
1939 第二次世界大戦おこる
東京都が会社更生法適用的事態に
東京都が会社でいったら会社更生法適用的事態になりましたねえ。理由は不景気で税収入が減ったから。もっと引いた見方をすると,右肩上がりの歴史観にのっかっていたから。
愚かな世界観の歌
洗われるような声をしたkiroroの歌
「ほら あしもとをみてごらん これがあなたのあゆむみち ほら まえをみてごらん あれがあなたのみらいぃ~♪」
あ~あ,泰平な世の中だったんですねえ,いままで。とっぷり浸かりおって。この歌は「わたしたちの未来は見えるのよ」と歌っているんです。「このまま延長して,何年後はあんなになって……」予定調和。いい子たちだからこそ,困っちまうんですよねえ。しっかりしてね。経済のクラッシュでも来た日には,なんて馬鹿な歌をうたってたんだと気付くんでしょう。人生は作れるし,時代は作り上げられていくもの。
国際化は庶民のリスクを大きくする
中小企業の方たちはこう思ってらっしゃるに違いないと思います。「この不況,何か私たちが悪いことをしたか?円が安くなっている。土地が安くなっている。製品は出ない。銀行は貸し渋る。私たちが何か悪いことをしたか?」
そうなんですね。原因が遠くにある。国際化するほど,原因は遠くのブラックボックスの中でおこる。では多くの経済学者が言ってますように,それは需要・供給の法則で起こっているのでしょうか? 仮にそうだとした場合,国際化は庶民にとっては不可抗力のリスクを極めて大きくすることになりますね。
「自分の財産は自分で守らねば,それが賢い消費者というもの」と経済評論家達はテレビでキャンペーンを続けていました。特にビッグバン(金融の自由化)をやった今年のはじめの頃ですね。でもあれはウソです。
例えば「株売買で本気に儲けようなんて,少しの金しか持たないやつにはホントは無理なんだ」ってことは,その株売買の世界の常識。大量の資金を持つものが勝つ世界。それが自由競争の支配する世界です。
貯蓄が株売買ににてきた現在,庶民にとって自分の資金が守りにくくなったことは,この頃実感としてわかるのではありませんか?これが金融の自由化なのです。匿名の人々が大量の資金を使って世界を闊歩し,金をせしめ金をすり,そんな博打ちどもの余波として中小企業の方たちが「私たちは何か悪いことをしたのか」と呟かなくてはいかない。そして匿名者たちは,ボルト一本生み出していないのです。
国際化だけでなく連動するエリアが広がっているから,経済はブラックボックス化するんですね。ではもっと広がるんでしょうか?その傾向は続くでしょう。そしてどこかでクラッシュする。