2003年12月
2003_12_22
正月は太陽復活祭
古代人は、太陽の衰えに心痛めた。衰えた太陽の復活を祝した行事が、お正月。そして、クリスマス。クリスマスは、一神教の救世主の誕生日ではなくて、太陽の復活を祝う北欧神話とキリスト教の布教戦略が習合したもの。日本のお正月のカガミ餅も、太陽信仰の名残り。(尊兄の話より)
2003_12_18いい歳しても単なる消費者
某企業で講演。ライフスタイルについて。
本屋に寄ると、大人向けの自分の時間の充実をうたった雑誌がやたらと増えていました。曰く、「ゆったりと過ごせる離れの宿」だとか「四季を味わう究極の鮨」だとか。バカじゃないか。老いても、一消費者として愚弄されている自分を感じないのでしょうかね。出版社になめきられるほど、今の大人は金払ってしか楽しめない消費者の群れ化してます。
2003_12_07小屋完成
掃く
室内に置いていた大工道具やなにやを、すべて外に出す。そして、掃き清める。もう二度とこのような空っぽな状態のショットはとれないだろう。写真に写す。
そのあと、いよいよ用意していた備品を運び入れる。私の頭の中だけで、永いこと見続けていた部屋の光景が、目の前に現れて行く。
完成
できた。
2003年11月23日。
予定地の整備開始から約2年。
ついに小屋が出来上がった。これが私の頭の中にあったカバノンだ。
物が出来上がる時は、その瞬間に、バーツと一機に結晶化するようにできるんなんだな、と改めて実感。溜まりに溜まっていたあらゆる下準備の品が、一点に収束する。
黒いレザーのソファー。背後の窓は、当初からこのソファーを前提に、高さを調整し取り付けたピクチャーウインドゥだ。
上のロフトがわかる。私が立った時に、目線がロフトの床にきて上に載せた物が見えるように設定している。中二階に登るには、立てかけられた丸太を使う。
以上の条件もあって一階部分はローアングルの配置にした。
つくづくよかったと思うのは、天窓の設置だ。まるで照明器具をつけているように明るい。ミニログハウスのキットを買っていたら、今ごろは薄暗い室内で過ごす事になっていただろう。
「いくらぐらい、かかりましたか?」という質問を時々受ける。答、よくわかりません。当初、25万円ぐらいの予算だったが、それは超えた。60-70万円ぐらいか?高いか安いか。いや、楽しいのである。
Thanks 完成当日
夜の帳が下りる。この完成の日に手伝ってくださったYo3さんと、近くの温泉に浸かって汗を洗い流したあと、飲み語る。至福の時である。Yo3さんにもらった木枠の窓は、小屋の正面に使っている。合掌。
完成祝いの酒持って真っ暗な森の中尋ねて来てくださったイノハラさんたち。イノハラさんには、柿渋の使用等でアドバイスをいただいた。
シテュエーションが、夢の中のようだ。冬の凍てついた山。懐中電灯のわずかな灯りを頼りに森の中に分け入る。ランタンのかすかな灯りがあって、ドアを開けるとこんな光景が待っている。一編の詩だな。とかなんとか言いながら、また一杯。
トイレ
トイレは工事現場に置かれているレンタルトイレユニット中古3万円なりを購入し、設置している。水洗にあらず。原始的汲み取り式。これを、小屋から20mぐらい離れた木陰に置いている。夜間はちょっとした肝だめしになり、冬場になれば凍てつく空の下、出かけることになる。クモの抜け殻もある。
今回、私の子ども用に、小屋を含めた里山の使用マニュアルを書こうとして途中であきらめた。里山の小屋は、アウトドアに精通した者でなければ使いこなせない。
Thanks わが家族
「まずは、ご家族で泊まるべきでしょうね、まつをファミリーの匂いを付けましょう!」と尊兄からのアドバイス。合掌。早速、家族を誘い里山へ。
家人もよくぞ何も言わず、今まで私の里山行きをみとめ、資金投入に理解を示してくれた。感謝したい。
サツマイモとジャガイモをアルミホイルにくるみ、炉に入れて焚き火。バターを塗って食する。秀逸。暗くなってランタンを灯す。皆で鍋を囲む。一段落してポップコーンを炒って食す。ジェンガを楽しむ。家族みんなの背をはかり、板壁に書き記す。わが家のノーテレビデー。ゆっくり食事し、たっぷり会話して、ゆっくり眠る。
今回一番印象に残った事は?
娘「ロフトに上がったこと」
息子「小屋で寝たこと」
家人「暑かったこと。断熱材の効果でしょうか」
家人は半袖で眠りについたほど温かかった。8時に眠りについて、朝の8時まで眠りつづけた家人の言葉である。夜半、雨音がした。安心して家族を休ませることのできる幸せを思う。
朝が開け始めるのを待って、植林を開始。里山はまだまだ育成中だ。子ども達よ、父はもっと美しい風景を心の中でみているのだ。お前たちと一緒に、風景を育てよう。
これが現在の外形。しばらくはこれでいこう。冬場は木の移植が待っている。森作りのメインは冬場にある。
Thanks 山小屋ブラザーズ
遠路はるばる大分と福岡からおいでいただいた山小屋ブラザーズ。カバノンの基礎を築いてくださった仲間だ。
基礎は大事。完璧に水平を取っておく事はとても大事だ。工事の過程で幾度もそう思った。基礎がなっていないと、進んで行くたびに狂いが大きくなり、てつもなく手がかかることになる。子育てと一緒だな。ブラザーズの一員まるやまさんが、近々九州を離れる。その前にせめて一度と思っていたが、抜き差しならぬ事態でお出でになれなかった。ぜひかの地でもお元気で。そして人生は長い。いつの日か、お遊びにおいでください。
じだらくさんが持つは、ご存知じだらくビール。皆が絶賛。いつも食の魔術師はビックリさせてくれる。
4時半ぐらいから宴を開始。8時半には爆沈。寝る事になる。4時、私とGSさんが目を覚ますと、Tetuさんがいない。探すと車の中で睡眠中。起こすわけにもいかず「どうして、車の中にいるんだろう?ドアの近くで寒かったんだろうか?」とGSさんと話しながら、また一献。しばらくして再び眠りにつく。日が上がり明るくなって再び目が覚める。しばらくするとTetuさんが姿を現した。「どうしたの?」と二人して尋ねる。「お二人のイビキで眠れなかった」 申し訳ない。