2013年9月
里山美食倶楽部
もっともゴージャスなキャンプ。それはシェフに料理をふるまっていただくキャンプ。それはそれは森の中の夢見心地のキャンプ。 圧巻の美食の数々と酒を楽しみ、心許せる友と焚火を囲い語らう一編の物語のようなキャンプ。
この世の悦楽を始めよう
3年ぶりのしんのじシェフの降臨。
こちらは海蛍シェフによってふるまわれた珠玉のサングリア。
前菜: サングリア、金沢焼海老、魚のすり身揚げ、フルーツ。彩りの野菜サラダ ペルーマンゴー、スモークサーモン、ひよこまめ 他。
いつもながら誰も仕切らない自由な雰囲気。
松下さんの不思議なボトルは、近年まれにみる深夜までの会話を演出。
都市生活は、自然を対象物として捉える。さらに「ああすれば、こうなる」の時間系で動いている。そこにまどろみはない。西洋型二元論と、未来の確定化。こうしてガチガチの世界を人は組み上げ、自らの首を締め上げる。
くだらない。森に行こう。
圧倒的美食の数々
里山には驚嘆すべき才能の持ち主の方々が降臨される。今回、目くるめく食の世界を展開された皆様はまさにそれだ。人間の根源的なところをわしづかみにされる。すさまじいと思う。
ミルク煮のニンニク&アンチョビ+エタリソース+カキ燻製漬け油を、ゆっくり温めながら生クリームとオリーブオイルを加えてソースを仕上げ。
スパークリングワインの栓が華麗に抜かれる。
散人さん持参の長崎和牛の焼き。見るからにA5等級のお肉。これは焼きすぎたら油が抜けすぎ、弱いと生で香ばしさが感じられない。高温の直火でさっとあぶるように焼く。表面は油が跳ねるように焼き、芯はレアー。
近海海老の酒蒸、輸入海老と牡蠣の燻製のイタリアンソテー。そしてイカスミのスパゲティ。
ドリルをこっそりと持込み、完成されたキャロットクラリネットで演奏。
火を夢見る
スワヒリ語で焚火に見入ることを「アナ・ポト・モトス」と言う。これは「火を夢見る」という意味の表現だ。
人が火の回りに集う。料理という幸福な光景に見とれ、そして火を夢見ている私たち。
焚火語り。私たちは普段どうして、肝心なことを話していないのだろう。たましいが私にそう告げる。
火を夢見ながら、おいしいものを食べ、うまい酒を飲んで話そう。いつの間にか、自分が森羅万象と溶け合い和らぎ始めることを感じる。
これはそんな里山での会話です(5分30秒)
朝
いやあ、飲んだね。
里山に点在する一人用テントの群。
朝食のお茶。上くき茶 水出し。
大活躍した機械屋さん手作りのバーベキューマシーン。
朝食は海蛍さん作品のオンパレード。生のなめこで作ったみそ汁は、彼女の地元のワカメも入って、本当に幸せな気分に。自ら生栗を剥いて準備してくれた栗ご飯のほのかな甘さは、まさに「小さい秋」のテイストそのもの。
サプライズメニュー:焼ミナ、茹でミナの柚子胡椒添え(散人さんご提供)&ミナのイタリアンソテー。
thomさんが生豆から炒って、ドリップ抽出した秀逸な丸く深い香りのコーヒー、「ンゴロンゴロ」に、森の中の楽園で久々の極楽気分を味わい尽くす。
現実だったとは思えないほどの、夢見心地の一夜。合掌。
イグノーベル賞
「イグノーベル賞」とは「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して贈られる賞。企画運営は某雑誌編集者。以下今年の受賞からピックアップ。
・医学賞
オペラを聴かせるとマウスが延命するという発見。マウスに心臓移植した後オペラ「椿姫」を聴かせ続けると平均26・5日、モーツァルトでは平均20日、音楽を聴かせなかったマウスは7日生存したという。鼓膜を壊すとこうした効果はみられないので、音楽が脳を介して免疫反応に影響していると考えられる。日本人が受賞。
・平和賞
公共の場で拍手をすることを違法としたベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領、および、同法で逮捕を執行した同国警察が共同受賞。なおこの大統領は、「ベラルーシには美人がたくさんいる。しかし私が毎日通る道の交差点にクチャクチャな顔をしたフランス人の顔が写っている。とんでもないことだ」と発言し、広告の撤去を命令したことなどでも知られる。
・確率賞
ウシは横たわっている時間が長くなればなるほど、もうすぐ立ち上がる確率が高くなる。ただし、1度立ち上がったウシがいつになったら次に横たわるかを予測するのは難しいことを発見。
・物理学賞
人によっては、池の表面を走れる身体能力がある可能性を発見した研究。ただし、月面であることが条件。
・心理学賞
酔った人は本気で自分のことをもっと魅力的だと考えていることを証明した研究。
『工学部ヒラノ教授のアメリカ武者修行』
最近あれよあれよと最後まで読ませられた本。本当に面白かった。著者 今野浩氏は本格的学者さん。短いセンテンス。端的なたとえ。一貫して流れる笑いのセンス。そして知的な構成力と得難い体験。おもしろいです。いくつかピックアップ。
日米大学の資産格差
「スタンフォードも1兆円を上回る自己資金を持っていた。一方、日本では最もお金持ちといわれる慶応義塾大学でも、手持ち資金はその10分の1に過ぎない。……政治家や官僚たちは、日米大学の資産格差を知っているはずである(知らなければ怠慢である)。それにも拘らず政府は、大学に対する投資を減らしているのである。」向こう岸理論
「アメリカ社会は、レーガン時代にある決断を下した。”残念ながらわれわれは、3億人の国民すべてを豊かにすることは出来ない。すべての人を考えていると。アメリカ全体が沈没する。だから、上位10%(もしくは20%)を優遇して向こう岸にわたってもらう。そして残りの人たちは、その人たちに引っ張りあげてもらえばいい”と。これがいわゆる”向こう岸理論”である。」『正義論』の権威マイケル・サンデル教授の教え子たちは、ウォール街の投資銀行に就職した
「ここで思い出すのが、政治哲学者で『正義論』の権威として知られる、マイケル・サンデル教授の『ハーバード白熱教室』である。……多くの学生が熱心に”正義”について討論するテレビ番組をみた日本人は、さすがはハーバードと感心したのではないだろうか。……サンデル教授の講義は、昨日や今日始まったものではない。サンデル教授は、1980年以来30年以上ハーバード大学に勤めているのだ。では10年前、20年前に、この大学から、どのような学生が育ったのか。彼らの中の最も優秀な人たちが、ゴールドマンサックス、リーマンブラザーズ、ソロモンブラザーズなど、ウォール街の投資銀行(銀行という名前がついているが、実は証券会社)に就職したのだ。」
息子への大人方からのご指南
散人さん、大閑道人さん、ありがとうございます。息子になり代わりお礼申し上げます。上2枚の写真は、これまでの人生写真200選の一コマとして贈ったものの部分ショットです。これからもご指導よろしくお願いいたします。
あ、息子も一言お礼をと申しておりますのでかわります。
「息子です。初めての入院を経て、14歳となりました。また大人へ一歩近づけたのかなと思います。最近は勉強ばかりで、将棋等はしなかったのですが、久しぶりにやってみようかと思います。これからも一歩ずつでも前進していって、立派な大人になれたらと思います。改めてお礼申し上げます。」
イタリアン ローズ&マリー
家族で食事。隠れ家。細い坂道を随分歩いて住宅街に現れるイタリアン。窓の外に長崎の街を眺望できる。
息子、乳歯を抜く
先日、トモスケが手術をした。生えきらずにいた乳歯が永久歯の成長を阻害し双方とも痛み出していた。この両者の摘出無事完了。シンボリックな出来事に思えた。幼心を脱し大人へと成長する。
これまでの写真200枚選を贈る
抜糸をした日、誕生からこれまで撮りためた膨大な数の写真の中から200枚程を選び、一挙に焼いてプレゼント。人は記憶の上に自らのアイデンテティを形成する。多くの方からこれまで注いでいただいた愛情を、忘れることなく健やかに前へ進もう。
上はその中の1枚、2008年トモスケ東京タワーを登るの図。ちょっとした登山だった。ともに登った私は随分遅れたことを憶えている。
オリンピック2020開催都市は東京
なぜ国家が頭を下げるのか
今回の一連の流れで私たちが再認識させられたのは、国家を超えた組織があるということ。国家が頭を下げねばならない組織の存在。各国民は主権国家を構成する。世界は主権国家によってなる。そんな世界観では説明できないことを私たちは目の当たりにしている。なぜ公開されないのか
ロビー活動が決定の決め手であると報道されているが、その活動実態はどのようなものだろう。民主主義とは、公開の場において論議を尽くし決定していくもの。
まつを農園
わが家のベランダにつくった半畳程度のまつを農園。底に断熱材を敷いたりなど幾つかの工夫空しく、結果的には不作。左側からキュウリ(3本収穫)、オクラ(5本収穫)、ミニトマト(10個ぐらい収穫)、低くバジル(見てのとおり)。
毎朝起床して覗き込む楽しみは与えてくれた。人間は、若いころは動物を愛し、そのあとに植物を愛するようになり、最後には石を磨くようになる。齢をとるほど、動かぬものを愛でる。
バジルは来年度も植えようと思う。