井川惺亮
現代美術作家。美術界の一アイコン。色彩を蘇らせた画家。長崎大学教育学部名誉教授。44年中国内蒙古自治区出まれ。70年東京芸術大学大学院修了。75年フランス給費留学生としてマルセイユ美術学校に留学。黄金期のクロード・ヴィアラ(「シュポール/シュルファス」を代表する作家)に学ぶ。92年文部省在外研究員(ペルピニャン美術学校及びパリ美術学校招聘教授)。「ナガサキ誓いの火」灯火台の制作でも知られる。 その作品はgoogleの画像検索で多数見ることができる。
「幼い頃、絵が好きであることを親が見てとって、私に絵の具を買い与えてくれました」 「フランス語があまりできなくて、留学の受験の際は、とにかくもというフランス語と、セザンヌが好きだというフランス語だけを言い続けましたよ」 「日本では作品の密度や完成度を問うのですが、そうしたものから逃れたいと」 「原色を打ち出すことは、侍が刀を抜いたような、旬のものを、向こうの人たちに感じさせるのかもしれません」 「クロード・ヴィアラ先生(制作中の動画へリンク)の均質化した絵画は飽きません」 「歴史的絵画の引用の結果として、そっくりになっても構わないと思ってます」 「紙箱は絵画することを想起させてくれます。私の感覚上では、白い画用紙ではなく、紙箱の方が考えられるのです」
ご同席:しげの、長崎大学教育学部美術選修生のみなさん
場所:長崎大学
収録日:2009.7.24
放送時間:17分21秒
大閑道人
内観者。今回のインタビューは、氏が京都大学でインド仏教学を学んでいた際に体験した内観に伴う神秘体験である。目眩を覚えるような五感溢れるビジョンの乱舞。その背後に横たわる生への切迫感。語られた内容を、ピンナップ写真のようにお伝えする。これは数時間にわたるインタビュー内容のエッセンスだ。
「自分というのは、他人を立てて自分なんだよね」 「自分が反転したことがあって」 「ふと壁をみるとジャングルがあってそこに開いた穴を落ちると南極だった。氷のお城があって、青い炎が氷漬けになっていました」 「透明な氷が溶け出した水に、葉っぱが流れてきていた。みると私の様々な顔でした」 「光の塊があって薄膜に覆われている。そこに外部の塵が吸着していく。塵が密に集まるところが数カ所現れて支配権を争い、勝ったところが我になる」
ご同席:邑本智玲
BGM:田中拓也作曲
「coda#1」
収録日:2009.7.4
放送時間:9分13秒
神山秀美
100年の森構想実行委員会代表。佐世保市在住。「100年の森構想」は「どんぐりを拾って森を創ろう」の呼びかけのもと2000年の秋に開始。国際生態学センター研究所所長、宮脇昭氏に助言を受け、アラカシやスダジイなど地域に自生する照葉樹のドングリから苗を育て、本来の地元の照葉樹林再生を目指している。
「メディアから聞かれる質問で最も嫌なのは、『どうしたいのですか』ですね」 「女が委員長なのが気に入らないとか、たくさん出てきて」 「森づくりも人づくりも混植。自分の好きなものだけを集めない」 「私、ひどいこと言われて3日間ぐらい寝込んだんですよ」 「一番最初に植えた木はもう見上げるほどになってます」 「宮脇先生は環境部門のノーベル賞といわれるブループラネット賞を受けてらっしゃいます。並はずれたバイタリティの持ち主です」
ご同席:あめこんこ、邑本智玲
場所:北村茶園・茶の間
収録日:2009.7.4
放送時間:7分03秒
金子数栄
田舎暮らしの鉄人。平成6年に週間ゴルフダイジェスト編集長を辞し、長崎県琴海町に移住。半農半漁で自給自足を実践。エッセイも発表。トライアスロンを始め各種スポーツや、ピアノ等も楽しむ。各種テレビ・ラジオ・雑誌などに採り上げられる。
2011.5.10永眠。
「メディアから聞かれる質問で最も嫌なのは、『これからの夢』だね」 「ジョギングしてて転んでね。顔から行っちゃって。ショックだったよ」 「ジャズを弾きたくてピアノをやり始め10年。ソナチネまでやったよ。ジャズは楽しくてしょうがない」 「食べ物に関しては自給自足」 「都会には住みたいとは思わない。こっちがずっといい。制約がないのがいいね」 「男の人はこんな生活いいだろって言うんだけど、奥さん連中がね」
ご同席:奥様、邑本智玲
収録場所:金子民宿内の海の見えるカフェ
収録日:2009.7.4
放送時間:6分21秒
田中拓也
長崎の自主制作音楽レーベル「フラクチャーレコード」主宰。長崎市在住。2001年にレーベルを設立。これまでに岡野雄一氏など長崎のミュージシャンのディスクを世に送る。キングクリムゾンなどのプログレッシブロックのフアン。自身の作品として『タッキーペリン流実験音楽』。2008年、吉田隆氏と美術館でコラボレーション。
「TMネットワークに触発されて音楽を始めました。打ち込みから始めたんです」 「大学に行ってバンドに入り、そこで演奏が出来るようになったんです」 「プログレにはまりはじめて。私にとっては生まれた頃の音楽って感じであって」 「とりあえず自分の音楽をかたちにしようとCDを作りはじめたんです」 「フラクチャーレコードからは、いままでに20~30枚出しています」 「いままでつくったCDでお気に入りは、岡野さんのファーストアルバムです(試聴可)↓」
ご同席:吉田隆
収録場所:カフェ豆ちゃん
収録日:2009.6.3
放送時間:10分12秒
中島洋一郎
エンジニア。長崎市在住。機械屋の呼称で親しまれる。元某企業で新技術の開発にあたりつつ、私的時間に「工房ナカシマ」として、木工、金属加工・溶接、薫製などの活動を展開。かつて制作したスモーカーやバーベキュー炉は、雑誌『ドゥーパ!』にも大きく採り上げられた。そこでつくられる薫製は絶品。今回は、あえて工房内部に焦点を当てる。
「工房で旋盤を見てるだけで、落ち着くんですよ」 「機械はかわいいですよ」 「40代過ぎたら消耗品以外欲しい物はなくて」 「最大電流がコードに流れると、コードが踊るんですよ」 「根っから好きだと思います。それをしないことには溜まってくるんです」 「電源ランプが工具についただけで興奮します」 「私の物づくりの歴史は、人類の歴史をなぞってきた感じです」 「この工房にいることは、ゆったり里山で木立を見ていることと変わりません」
収録場所:工房ナカシマ
収録日:2009.4.26
放送時間:7分21秒
小河原幸生
バーテンダー。長崎市在住。(社)日本バーテンダー協会九州地区本部幹事、長崎支部支部長。長崎市内にある正統派のバー・ウェイヴァリィのオーナー。ぐっと渋い室内に、繊細なカクテル、そして気さくなトークで時が経つことを忘れさせてくれる。
「バーテンダーによってそれぞれ考え方が違います」 「コンクールに出場することは勉強になります。これは学科試験、フルーツ盛り合わせ、課題、そしてオリジナルで構成されています」 「3杯目が一番おいしいでしょう」 「ロックは氷が少し溶け始めたころ、原酒にちょっと水が入った時が、香りが立ちおいしいんです。これを目覚めるって言います」 「ニューヨークではみんな立って飲んでます」
収録場所:バー・ウェイヴァリィ
ご同席:マスダ
収録日:2009.3.12
放送時間:9分26秒
谷本光
アコースティック・トリック・ギタリスト。従来のギターの概念を覆す特殊奏法を駆使しギター1本のみで表現。谷村新司・夏川りみ・渡辺美里・秋川雅史・松浦亜弥・平原綾香・千住明・より子など多くのアーティストと共演。16歳からギターを始め、様々なコンテストで
入賞し17歳からプロ活動開始した際は、各音楽雑誌から「文句無しに世界レベル」 「末恐ろしい17歳がデビューしたものだ」と評された。
(アコースティック・トリック・ギターの様々なスパーテクニックを、実際にその場でギターを弾いていただきながら解説してもらっています) 「作曲はギターを始めて1か月後にはやってました」 「龍と水と島原というテーマで作曲をしたいと思いました」 「憧れていた谷村新司さんと共演をさせていただきました」 「渡辺美里さんは自分の信じる道に迷いがない人です」 「SEGAの超人気ゲーム『ソニックと暗黒の騎士』の音楽を7曲担当」
収録場所:猪原金物店の茶房「速魚川」
ご同席:猪原信明
収録日:2009.3.9
放送時間:28分03秒
松下泰三
しまばら未来塾塾頭。島原市在住。松下ひふ科院長。慈恵医大卒業。「病気を診ずして 病人を診よ」を医者としてのモットーとする。一方、島原のよさを知り、よりよい島原を求める未来塾を立ち上げ、さまざまなジャンルの有識者の講演会を開催してきた。
「最も印象に残った講演者は大林宣彦さん。島原は先頭に立つ日が来ますよ、ここには自然がある、城がある、水があると」 「美輪明宏さんは人糞製造器になるなといってましたね」 「栗原小巻さんはきれいでしたね。この世のものとは思えない雰囲気でした」 (他に野球界から稲尾和久、水の専門家の藤田紘一郎、筑紫哲也、子守唄協会の西舘好子、岡本太郎記念館館長の平野暁臣、地球村の高木善之の話他)
収録場所:猪原金物店の茶房「速魚川」
収録日:2009.2.14
放送時間:9分43秒
高浪高彰
長崎雑貨「たてまつる」店主。長崎市在住。長崎ゆかりの人物や歴史等をもとに自らデザインした手拭い「たてま手ぬ」などの長崎雑貨を扱う。長崎をこよなく愛し、その歴史にも造詣が深い。また日本のポップス史に残る作曲家、筒美京平のデータブック『筒美京平の世界』を出版。実家は「めがねのコクラヤ」、兄は元ピチカートファイブの高浪敬太郎氏。
「多くのヒット曲の後ろに一人の人間がいたんです。その価値観の転換が、筒美京平さんを好きになったきっかけです」 「父は人の真似をするなと言い続ける人。影響を受けました」 「学生時代、東京で故郷自慢ができない自分を発見して、長崎の歴史に興味を持つようになりました」 「長崎史の中で一番会いたい人は上野彦馬です」 「長崎雑貨というコンセプトを思いついた瞬間に、長崎に帰ることにしたんです」
ご同席:山本正興
収録場所: カフェ豆ちゃん
収録日:2009.2.13
放送時間:13分23秒